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細胞を用いて大規模な求電子体ライブラリーをスクリーニングするための反応性システインのハイスループットプロファイリングを再構成する

Nature Biotechnology 39, 5 doi: 10.1038/s41587-020-00778-3

従来法によるアミノ酸側鎖の反応性の測定は、プロテオーム全体にわたって相互作用に関する大規模な化合物ライブラリーのスクリーニングを行うのに必要な処理能力を欠いている。今回我々は、小型化されたデスチオビオチンに基づくプローブ、サンプルの多重化、初発タンパク質量の削減、質量分析計でのリアルタイムのデータ取得を促進するソフトウエアを使用して、活性に基づき反応性システイン残基のタンパク質プロファイリングを行うワークフローを再設計した。我々のSLC-ABPP(streamlined cysteine activity-based protein profiling)法は試料の処理能力が42倍に向上しており、これは1化合物当たり18分で8000か所を超える反応性システインという深度でのライブラリー要素のプロファイリングに相当する。我々はこの方法を用いて、変異型Kirstenラット肉腫タンパク質(KRAS)G12Cとブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する共有結合性阻害剤の標的をプロテオーム規模で特定した。また、3系統のヒト細胞株で285の求電子体に対するシステイン反応性の情報資源を構築した。この情報資源には1細胞株当たり6000種類以上のタンパク質の2万を超えるシステインが含まれる。複数の細胞環境下で要素が数千個のライブラリーのシステイン反応性をプロテオーム規模でプロファイリングするという目標は、いまや手の届く所にある。

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