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立体干渉格子光シートイメージング法

Nature Biotechnology 39, 11 doi: 10.1038/s41587-021-01042-y

時空間分解能と検出感度の高い生細胞イメージング法は、細胞の構造と機能の動態に関する研究を促進する。しかし、既存の方法は低速であったり、高いピーク励起強度を要したり、焦点外のバックグラウンドの強さが妨げとなったりするため、生細胞から高分解能の4D情報(3D空間プラス時間)を引き出すことは今なお容易でない。本論文では、3D干渉格子光シート(3D-iLLS)イメージング法を紹介する。これは、4Pi干渉計と選択的平面照明を組み合わせることによって、低強度の励起光で高度なバックグラウンド抑制と大幅に改善された立体分解能を得る技術である。3D-iLLSは、軸方向分解能が100 nm(半値全幅)、単一粒子の位置測定精度が10 nm未満(1σ)であることが示された。我々は3D-iLLSの性能について、単一メッセンジャーRNA分子、核内の転写調節因子のナノスケール集合体、微小管細胞骨格、ミトコンドリア細胞小器官というさまざまな系で例証する。3D-iLLSの高い4D分解能とSN比(信号対ノイズ比)は、細胞内レベルの生物学的過程の解析を促進すると考えられる。

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