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リードも電池も不要な完全埋植型の生体吸収性心臓ペースメーカー

Nature Biotechnology 39, 10 doi: 10.1038/s41587-021-00948-x

術後回復中の必要な期間に用いられる一時的な心臓ペースメーカーには経皮リードと体外式ハードウエアが必要であり、それらは感染リスクをもたらすとともに患者の動きを制限し、リード抜去時には心臓に損傷を与える恐れもある。本論文では、リードと電池を使用せずに心拍数と心リズムの術後制御を行い、一定の動作時間枠を経ると自然の生物学的過程によって完全に溶解して消滅する完全埋植型の心臓ペースメーカーを紹介する。この装置は無線エネルギー伝送によって給電され、形状と動作時間スケールを調整してマウス、ラット、ウサギ、イヌ、およびヒトの心臓モデルでさまざまなサイズの心臓の効果的なペーシングを行うことが示された。この方式は、従来の一時的ペーシング装置の主要な欠点を克服しており、次世代の術後一時的ペーシング技術の基盤となる可能性がある。

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