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ワトソン鎖とクリック鎖の選択的塩基配列解読による低頻度DNAバリアントの検出

Nature Biotechnology 39, 10 doi: 10.1038/s41587-021-00900-z

次世代塩基配列解読法のベースラインエラー率は改善されているが、低頻度変異の発見と定量は今なお課題となっている。本論文では、(1)鋳型分子のワトソン鎖とクリック鎖への同一分子バーコードの効率的な導入、(2)鎖特異的なPCRによる標的塩基配列の濃縮により、そうした課題に対処するSaferSeqSという方法を紹介する。この方法は感度と特異性が高く、DNA鋳型分子10万個に1個未満という頻度のバリアントが、1塩基対(bp)当たり5 × 10−7未満というバックグラウンド変異率で検出された。我々は、SaferSeqSが、単一アンプリコン中または同時に複数アンプリコン中の変異を評価すること、両方の鎖の高い回収率によってわずかな量の無細胞DNAを評価すること、および既存のPCRに基づく分子バーコーディング法のエラー率を100分の1以下に低下させることが可能であることを実証した。

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