Letter

腸内常在菌Bacteroides thetaiotaomicronの遺伝子回路設計の自動化

Nature Biotechnology 38, 8 doi: 10.1038/s41587-020-0468-5

Bacteroides thetaiotaomicronは、腸内マイクロバイオームへの治療薬の送達に有望なヒト関連細菌である。治療用細菌は腸内外の条件に応じて遺伝子発現の各種プログラムを働かせることができれば有益と考えられるが、B. thetaiotaomicronでは調節要素とその組み合わせ法の利用に制約がある。本論文では、この細菌種に回路設計自動化ソフトウエアCelloを用いた結果を示す。最初に、シングルガイドRNA(CRISPR–dCas9)に基づく一群のゲノム組み込み型NOT/NORゲートの特性を評価し、Cello用のBtユーザー制約ファイル(UCF)の情報を得た。次に、胆汁酸と無水テトラサイクリンに応答するセンサーが組み込まれるように論理回路を設計した。そのうちの1つは、生物学的生産、ヒト腸、および放出後と関連する環境を識別するために構築されたものである。この回路は、実験室条件下で少なくとも12日間安定であること、またin vitroヒト腸モデル系の初代結腸上皮単層に付随する細菌で機能することが示された。

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