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Immuno-SABERは組織中タンパク質の高度多重化増幅イメージングを可能にする

Nature Biotechnology 37, 9 doi: 10.1038/s41587-019-0207-y

組織中のタンパク質の空間マッピングは、多重化、感度、およびスループットの限界による制約を受けている。本論文で紹介するImmuno-SABER(immunostaining with signal amplification by exchange reaction)は、DNAバーコード化抗体、およびプライマー交換反応で得られる独立的なDNAコンカテマーにより、高度に多重化されたシグナル増幅を行う方法である。SABERは、in situの酵素反応によらない独立してプログラム可能なシグナル増幅を実現し、蛍光イメージャー鎖の高速交換サイクルとの組み合わせで多数の標的を迅速に増幅および可視化する固有の拡張性をもたらす。多様な試料(培養細胞、凍結切片、ホルマリン固定パラフィン包埋切片、およびホールマウント組織)で5~180倍のシグナル増幅が示され、標準的な装置およびワークフローによる10種類のタンパク質の同時シグナル増幅も実証された。SABERに膨張顕微鏡法を組み合わせることで、迅速な多重超解像組織イメージングも可能となった。Immuno-SABERは、高感度でハイスループットの多重増幅タンパク質イメージングを行うための効果的で利用しやすいプラットフォームとなる。

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