Article

大規模な単一細胞クロマチン接近可能性の液滴に基づくコンビナトリアル・インデキシング

Nature Biotechnology 37, 8 doi: 10.1038/s41587-019-0147-6

最近の技術の進歩によって、単一細胞分解能でのエピゲノムマッピングが容易になっているが、そうした方法は、処理能力および質的水準が幅広い応用の制約となっている。本論文では、液滴マイクロ流体工学に基づいてクロマチン接近可能性の単一細胞プロファイリングを行うための優れた(細胞当たり105個の核断片)方法を紹介する。dscATAC-seq(droplet single-cell assay for transposase-accessible chromatin using sequencing)と命名したこの方法を用いて、細胞4万6653個を対象に、成体マウス脳内の細胞型および調節エレメントを偏りなく見つけ出す解析を行った。さらに、このプラットフォームをコンビナトリアル・インデキシングと組み合わせて処理能力を高めると(dsciATAC-seq)、大規模な単一細胞研究が可能となった。この方法の有用性は、休止状態および活性化状態のヒト骨髄由来細胞13万6463個でクロマチン接近可能性を評価し、各種細胞型の刺激条件下におけるシスおよびトランス調節の全体像の変化を単一細胞の分解能で明らかにすることによって実証した。我々は、総計で単一細胞51万123個のプロファイルを明らかにし、液滴に基づくこのプラットフォームの拡張性および柔軟性を証明した。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度