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コイルドコイルマスキングドメインによる抗体医薬の選択的活性化

Nature Biotechnology 37, 7 doi: 10.1038/s41587-019-0135-x

モノクローナル抗体は、健常組織に対する交差反応性のため、がん治療での使用に制限がある。腫瘍の標的化は、腫瘍微小環境で選択的に活性化されるマスク化抗体を作製することによって改善されてきたが、そのような抗体はそれぞれ個別のデザインを必要としている。本論文では、抗体の相補性決定領域を立体的に遮蔽するヘテロ二量体コイルドコイルドメインによって結合ドメインをマスクする一般化可能な手法を紹介する。コイルドコイルペプチドはマトリックスメタロプロアーゼ(MMP)-2およびMMP-9などの腫瘍関連プロテアーゼと接触すると切断され、抗原との結合が回復する。コイルドコイルの構成を複数検討した結果、最適化されたマスキングドメインは対象抗体に広く応用可能であることが明らかになった。この手法はマウスで抗CD3関連サイトカインの放出を防ぎ、抗体を抗原シンクから保護して血中半減期を大幅に改善した。このマスク化抗体をがんのマウスモデルで抗体薬物複合体に応用すると、腫瘍部位で選択的にマスクが離脱し、非マスク化抗体と比べて高い抗腫瘍効果が得られた。

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