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包括的な転写因子活性を測定するタンパク質活性アッセイを用いてクロマチン接近可能性の決定因子を明らかにする

Nature Biotechnology 36, 6 doi: 10.1038/nbt.4138

転写因子(TF)のDNAへの結合を解析する既存の方法で、細胞内の全TF結合活性をゲノム規模で測定できるものはない。本論文では、細胞中または組織抽出物中の全TFのDNA結合活性を測定する超並列タンパク質活性アッセイであるATI(active TF identification;活性TF同定法)を紹介する。ATIは、極めて複雑なDNAライブラリーから、タンパク質に結合したDNA配列を電気泳動で分離し、そのDNA結合タンパク質を質量分析法で同定することを基本原理とする。ATIを4種類のマウス組織およびマウス胚性幹細胞に応用した結果、所与の組織または細胞型において、約10個の異なるモチーフにのみ結合する少数のTFが強いDNA結合活性を示すことが分かった。これらのTFの中には、全ての細胞型に認められるものもあったが、解析対象の組織または細胞型の細胞運命を決定することが知られている特異的なTFも存在した。また、少数のTFが細胞の接近可能なクロマチンの全体像を決定していることも明らかになり、遺伝子調節の論理は従来の認識ほど複雑ではない可能性が示唆された。

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