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機能性と血管を有するヒト脳オルガノイドのin vivoモデル

Nature Biotechnology 36, 5 doi: 10.1038/nbt.4127

ヒト多能性幹細胞を脳オルガノイドという小さな脳様構造体に分化させることにより、ヒト脳の発達および疾病のモデルを作製するためのかつてない機会が得られる。我々は、血管および機能性を有する脳オルガノイドのin vivoモデルを提供するために、ヒト脳オルガノイドを成体マウスの脳に移植する方法を確立した。オルガノイドの移植片は、ニューロンの進行性の分化および成熟、グリア新生、ミクログリアの組み込み、ならびに宿主脳の複数領域への軸索成長を示した。in vivoの二光子撮像により、移植片には機能性を有する神経回路網および血管が観察された。最後に、in vivoの細胞外記録を光遺伝学と組み合わせることによって移植片内の神経活動が明らかになり、移植片から宿主への機能的シナプス結合が示唆された。動物の脳内でヒト神経オルガノイドとin vivoの生理環境を組み合わせることより、生理的条件下での疾病モデルの作製が促進される可能性がある。

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