Resources

24万4000本の合成配列の評価が大腸菌での翻訳を最適化する設計原理を明らかにする

Nature Biotechnology 36, 10 doi: 10.1038/nbt.4238

遺伝子発現機序の探索には天然配列と変異配列の比較解析が用いられてきたが、サンプルサイズが小さいと結果に偏りが生じる場合がある。我々は、偏りのない実験計画法を用いて、大腸菌(Escherichia coli)の翻訳効率に影響を与えると考えられる因子を整理した。完全実施要因計画を56回反復する24万4000本のDNA配列を正確に設計し、ヌクレオチド、二次構造、コドンおよびアミノ酸の特性をまとめて評価した。それぞれの配列に関して、レポーター転写産物の存在量と分解、ポリソームプロファイル、タンパク質生成量、および増殖速度を測定した。設計された配列の特性と結果として生じたこれらの表現型との関連性は、二次構造およびその転写産物内の相互作用が支配していた。我々は、転写産物の構造が一般に翻訳開始を制限していることを確認し、その生理的コストをエピジェネティック試験を用いて明らかにした。コドン組成は翻訳可能性にかなりの影響を与えるが、それは伸長が抑制された比較的希少な転写産物に限られていた。我々は、in vivoの二次構造の高い予測確度を用いて翻訳効率を改善する一連の設計原理を提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度