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成人脳の転写状態およびエピジェネティック状態の統合的単一細胞解析

Nature Biotechnology 36, 1 doi: 10.1038/nbt.4038

ヒト脳の細胞型の特徴を詳細に調べるには、個々の細胞の分子状態に関するさまざまな側面を分析するための拡張性のある実験手法と共に、コンピューターでデータを統合して統一された細胞状態のアノテーションを生成することが必要である。本論文では、単一核液滴塩基配列解読(snDrop-seq)および単一細胞トランスポソーム超高感受性部位塩基配列解読(scTHS-seq)のハイスループット改良法を示す。それぞれの方法で、成人の視覚皮質、前頭皮質および小脳由来の6万個以上の単一細胞に関して、核トランスクリプトームおよびDNAアクセシビリティーのマップを得た。そのデータを統合することにより、細胞型の特徴の根底にある調節エレメントおよび転写因子が明らかにされ、成人の再ミエリン化を調節する遺伝的プログラムなど、複雑な脳内過程を研究するための基盤が得られた。また、特定の細胞集団に対して疾病関連リスク多様体がマッピングされ、ヒト脳の正常および疾病細胞過程に関する洞察が得られた。この統合的なマルチオミクス的手法により、複雑な器官および組織に関する極めて詳細な単一細胞研究が可能となる。

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