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53BP1の阻害は相同性依存的なDNA修復を促進してCRISPR–Cas9ゲノム編集の効率を高める

Nature Biotechnology 36, 1 doi: 10.1038/nbt.4021

Cas9などのプログラム可能なヌクレアーゼは、相同性依存的な修復(HDR)による正確なゲノム編集に利用されている。しかし、HDRの効率は、非相同末端結合(NHEJ)などその他の二本鎖切断(DSB)修復経路との競合による制約を受ける。本論文では、ヒトおよびマウス細胞のHDR依存的なゲノム編集を効率化する遺伝子コード型の53BP1阻害物質を発見したことを明らかにする。53BP1は、真核細胞のDSB修復経路選択の重要な調節因子であり、HDR開始の律速段階である末端切除を抑制することによってHDRよりもNHEJを促進する。我々は、53BP1阻害物質を求めて、既存の改変ユビキチン多様体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングした。i53(inhibitor of 53BP1)と命名したある多様体のヒトおよびマウス細胞での発現は、DNA損傷部位での53BP1の蓄積を遮断し、遺伝子ターゲッティングおよび二本鎖DNAまたは一本鎖オリゴヌクレオチドドナーとの染色体遺伝子変換を最高で5.6倍に改善した。53BP1の阻害は、HDRによる正確なゲノム編集の効率を高める確かな方法である。

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