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自発的に明滅する膜プローブを用いる長時間タイムラプスナノ顕微鏡法

Nature Biotechnology 35, 8 doi: 10.1038/nbt.3876

長時間タイムラプス超高分解能顕微鏡法による生細胞の細胞構造および細胞小器官の画像化は、明るく光安定性の高い色素の高密度ラベリングや、毒性のない観察条件が必要となるなど、その実現は容易ではない。本論文では、膜透過性シリコンローダミン色素HMSiRに基づく高密度環境感受性(HIDE)膜プローブを紹介する。これはin situで自己集合し、高度時空間分解能での個別の細胞構造および細胞小器官の長時間タイムラプス生細胞ナノ顕微鏡解析を可能とする。通常のラベル化タンパク質を用いて得られる映像が数十秒であるのに対して、HIDEを使用するナノ顕微鏡映像は数十分に及ぶ。我々のデータから、生細胞のミトコンドリア、細胞膜、および糸状仮足の二次元動態、ならびに小胞体の二次元および三次元動態が明らかにされた。HIDEプローブでは生細胞の2色超分解能画像も得られるようになり、生細胞の動的な過程および構造を視覚化するためのナノ顕微鏡法の有用性が広がる。

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