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ヒト脳オルガノイドの誘導自己組織化と皮質板形成

Nature Biotechnology 35, 7 doi: 10.1038/nbt.3906

三次元細胞培養モデルは、器官様の形態へ細胞を配置するために、哺乳類細胞の自己組織化特性に依拠するか、さもなければ生物工学的構造体を使用してきた。自己組織化オルガノイドは初期発生事象の再現に優れる一方、生物工学的構造体では目的の組織構造が再現性よく得られる。今回我々は、この2種類の手法を組み合わせ、自己組織化能を維持しながらヒト前脳組織を再現性よく作製した。poly(lactide-co-glycolide) copolymer(PLGA)繊維のマイクロフィラメントを浮遊足場として使用することにより、長い胚様体が作製された。マイクロフィラメントで作製された大脳オルガノイド(enCOR)には、神経外胚葉形成の増強および皮質発生の改善が認められた。さらに、基底膜の再構成は、極性を有する皮質板および放射状単位の形成など、特徴的な皮質組織構造を生じた。これにより、enCORは、大脳皮質特有の放射状組織のモデルとなり、神経細胞移動の研究を可能とする。我々のデータは、3D細胞培養を生物工学と組み合わせることによって再現性の向上および組織構造の改善が可能となることを示している。

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