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マイクロ流体液滴バーコーディングによる超ハイスループットな単一細胞ゲノム塩基配列解読

Nature Biotechnology 35, 7 doi: 10.1038/nbt.3880

単一細胞ゲノム塩基配列解読法は大きな細胞集団には応用されていないが、それは、ゲノム調製中に単一細胞を分離することが技術的に困難なためである。本論文で紹介する単一細胞ゲノム塩基配列解読法(SiC-seq)は、液滴マイクロ流体工学を利用して単一細胞のゲノムを分離、断片化、およびバーコーディングし、プールDNAの塩基配列をイルミナ社のシステムで解読する方法である。我々は、グラム陰性およびグラム陽性細菌ならびに真菌の人工的な群集で、1回当たり5万個を超える細胞の超ハイスループットな塩基配列解読を行った。解読したゲノムは、特徴的な配列に基づいてコンピューターで分類することができる。この方法を用いて、環境試料由来の微生物群集が持つ抗生物質耐性遺伝子、毒性因子、およびファージ配列の分布を解析した。単一細胞の大集団の塩基配列を定型的に解読することができるようになったことで、多様な細胞集団の遺伝子不均質性が解析可能になると考えられる。

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