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酵母Yarrowia lipolyticaによる脂質生産が細胞質ゾルの酸化還元代謝の操作で最大化される

Nature Biotechnology 35, 2 doi: 10.1038/nbt.3763

バイオ燃料および油脂化学物質の生産を目的として、糖質原料から脂質を生産する微生物工場が作り出されている。しかし、その収率は、現時点で最高のものでも、商業的な脂質生産には不十分である。我々は、基質の異化によって発生する電子の捕獲を最大化し、基質に対する生成物の収率を高めるために、解糖系で生成するNADHを脂質生合成前駆体のNADPHまたはアセチルCoAへ変換する合成経路を持つYarrowia lipolyticaを13株作製した。定量的モデルを構築した結果、脂質経路の収率が全過程の収率の重要な決定要素であることが分かった。最高の改変株は生産性が1.2 g/L/hであり、0.27 g脂肪酸メチルエステル/gグルコースという歩留まりは、既存の改変酵母株との比較で25%の改善に相当する。最高の脂質生産株の酸素要求量は減少したが、これは好気呼吸によるNADH酸化が減少したためである。我々は、酸化還元の操作が微生物による糖質からの脂質生産の商業化を実現する可能性を示した。

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