Review

微生物による再生可能原料からの中鎖化学物質合成

Nature Biotechnology 35, 12 doi: 10.1038/nbt.4022

直鎖中鎖(C8~C12)炭化水素は、燃料だけでなく汎用および特殊化学製品でも重要な成分となっている。工業用微生物は中鎖化学物質を産生する経路をもたないため、内因性酵素の過剰発現や競合経路の除去などの方法を代謝の操作に用いることができず、中鎖化学物質の前駆体は脂肪酸合成および逆β酸化を操作することによって合成される。しかし、鎖長の制御は困難であり、目的の生成物を得るには精製を利用する必要があるが、概して力価が低く、ほとんどmg/Lレベルに届かない。中鎖化学物質の種類および収量は、脂肪酸アシル中間体を生成する経路酵素および鎖長調整酵素の基質特異性および活性を操作することによって増加させることができる。鎖長調整酵素を操作する技術と生成物を分析する技術の両方が開発されることにより、中鎖化学物質がg/Lレベルの収量で得られるようになることが期待される。

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