Article

情報理論に基づく誤り訂正による極めて正確な蛍光発生DNA塩基配列解読

Nature Biotechnology 35, 12 doi: 10.1038/nbt.3982

次世代DNA塩基配列解読法の誤りを排除することは極めて困難である。本論文では、誤り訂正符号(ECC)塩基配列解読法を紹介する。これは、蛍光を発するSBS(Sequencing by Synthesis;合成時解読法)を情報理論に基づく誤り訂正アルゴリズムと組み合わせることによって塩基配列解読の正確度を大きく向上させた方法である。ECCは、交互の二重塩基反応で得られる3本の独立した縮重配列を作ることで、塩基配列解読リードに冗長性を組み込む。この方法は、情報の通信および記憶における誤りの検出および訂正に有効であることが分かっている符号化・復号化戦略と似ている。生データの正確度が98.1%である蛍光発生SBS化学と組み合わせると、ECC塩基配列解読法では、誤りのない最長200 bpのシングルエンド配列が得られることが分かった。ECC法により、生物学および医学領域のさまざまな応用法で、極めてまれなゲノム変動の正確な識別が可能になると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度