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トウジンビエのゲノム塩基配列は乾燥環境での農業形質を改善するためのリソースとなる

Nature Biotechnology 35, 10 doi: 10.1038/nbt.3943

トウジンビエ(Cenchrus americanus (L.) Morrone)は、サハラ以南のアフリカ、インド、および南アジアの乾燥および半乾燥地域の9000万人を超える農民の主食である。本論文では、参照遺伝子型Tift 23D2B1-P1-P5の約1.79 Gbの概要全ゲノム塩基配列を示す。ここには遺伝子が3万8579個含まれるものと推定される。この作物の高温および乾燥耐性に寄与していると考えられるワックス生合成遺伝子の大幅な増強が注目された。994系統のトウジンビエのリシーケンシングおよび解析を行うことにより、個体群構造、遺伝的多様性、および栽培化に関する洞察が得られた。このリシーケンシングデータを用いることで、ゲノム選択に関するマーカー形質の関係が確認され、雑種強勢プールが明確になり、雑種の生産力が予測された。このリソースは、研究者および育種家にこの重要な主食用作物を改良する能力を与えるものと考えられる。

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