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レポーターによる経膜水分交換量増加のMRI測定が遺伝子レポーターの検出を可能とする

Nature Biotechnology 35, 1 doi: 10.1038/nbt.3714

遺伝子発現の非侵襲的画像化法は、移植細胞のin vivoでの追跡に使うことができるが、外部からの造影剤投入を要することが多く、そうした造影剤は組織へ届きにくい場合もある。今回我々は、尿素輸送体(UT-B)が遺伝子レポーターとして使用可能であることを明らかにする。レポーターの発現は、UT-Bによる形質膜水分交換量増加の1H MRI測定で検出される。このレポーターをトランスフェクションしたHEK細胞は、見かけの水分交換率(AXR)の上昇を示し、それはUT-Bの発現量に対応していた。UT-Bを発現するHEK細胞の異種移植片では、in vivoで測定されたAXR値が非発現の対照と比較して有意に高かった(約2倍;P < 0.0001)。UT-Bと共発現する赤色蛍光タンパク質(mStrawberry)の蛍光イメージングは、UT-Bの発現がAXRと比例関係にあることを示した。UT-Bを発現するレンチウイルスベクターによってラット脳細胞のin situ形質導入を行ったところ、AXRはウイルス注入部位で約2倍に上昇した。

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