Review

CRISPR技術の研究利用と実用化

Nature Biotechnology 34, 9 doi: 10.1038/nbt.3659

CRISPR–Cas9によるプログラム可能なDNA切断は、単一細胞および生物個体の効率的で部位特異的なゲノム操作を可能にする。汎用的なCRISPRによるゲノム編集は、研究の領域では転写制御、エピゲノム修飾、全ゲノムスクリーニング、染色体画像化法などさまざまに用いられている。CRISPR系は動物の遺伝性疾患緩和にすでに使われており、ヒトでも近いうちに眼および血液の疾患の臨床治療に用いられる見込みである。中国および米国では、選択的がん治療にCRISPR–Cas9を用いる臨床試験が2件承認されている。生物医学的用途以外でも、このツールは、作物および家畜の育種の促進、新規抗菌薬の作製、ならびに遺伝子ドライブによる疾病媒介昆虫の防除に用いられている。

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