Perspective

直交性Fab界面の構造に基づく設計による二重特異性IgG抗体の作製

Nature Biotechnology 32, 2 doi: 10.1038/nbt.2797

IgG二重特異性抗体の確実な作製は、長年の課題であった。既存の方法には、個々の抗体の広範囲に及ぶ合成、共通する軽鎖の発見、または複雑で困難な生化学的処理が必要である。今回、コンピューターによる合理的な設計法を実験的な構造検証法と組み合わせることで、直交性Fab界面を持つ抗体の重鎖および軽鎖を作製した。この界面を備える親モノクローナル抗体は、同時に発現させると集合して二重特異性IgGを生じ、重鎖軽鎖対の形成に優れていた。この方法で作製した二重特異性IgGは、薬物動態をはじめとして天然IgGの望ましい特性を示すが、標的抗原との結合は一価的である。これにより、この二重特異性抗体は、多くのバイオ技術的な用途に有用と考えられる。

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