Computational Biology

変異型および野生型個体の全ゲノム配列解読データのk-merを用いる直接比較による変異の同定

Nature Biotechnology 31, 4 doi: 10.1038/nbt.2515

変異表現型の基礎をなす遺伝子はマーカーの発見、遺伝子マッピング、および配列再解読を組み合わせることによって単離されるが、さらに単純明快な変異のマッピング方法は、変異型と野生型とでゲノムを直接比較することである。しかし、こうした方法の応用は標準配列の必要性、および原因変異の明確な特定を混乱させる変異負荷によって妨げられている。本論文で紹介するNIKS(needle in the k-stack)は標準配列不要のアルゴリズムで、全ゲノム配列解読データ中のk-merの比較に基づいてホモ接合変異を正確に発見するものである。我々はNIKSを標準配列の存在しないイネ栽培品種の変異体8種類、および非モデル種アラビス・アルピナ(Arabis alpina)の変異体2種類に応用した。いずれの種でも、変異表現型に関して選抜してプールしたF2個体の比較により、原因変異を含む少数の変異が明らかにされた。さらに、2種類の対立遺伝子変異体の実生のM3を比較することにより、原因遺伝子が明確に特定された。このようにNIKSは、変異誘発が可能なあらゆる種に関して、分離集団、遺伝子地図、および標準配列を必要としない順遺伝学的方法を可能とする。

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