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構造多型分析および配列組み立てに用いるナノ流路アレイのゲノムマッピング

Nature Biotechnology 30, 8 doi: 10.1038/nbt.2303

本論文ではナノ流路アレイでのゲノムマッピングという方法を紹介する。この方法では、特定の配列モチーフに蛍光標識を施した単一のDNA分子を、超微小流体装置の数千個のシリコン流路内で均一に伸張させる。蛍光画像により、配列モチーフが出現した位置間の物理的距離を示す地図が作製される。我々は、4.7 Mbのヒト主要組織適合複合体領域をカバーする細菌人工染色体(BAC)クローン95個を個別に、さらには混合物として分析した。数十万塩基長の正確でハプロタイプ分解的な配列モチーフ地図が得られ、BACのカバー率中央値は114倍となった。最終的な配列モチーフ地図のアセンブリーにはコンティグが3個含まれていた。標識間の平均距離は9 kbであり、ハプロタイプの相違は22か所検出された。この配列モチーフ地図からは、配列データの新規組み立てのスキャフォールドも得られた。ナノ流路ゲノムマッピングは、二倍体生物の複雑な領域の配列解読リードの新規組み立て、ハプロタイプおよび構造多型の分析、ならびに比較ゲノミクスを促進するものと考えられる。

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