Perspective

ベンチトップ型高処理能塩基配列解読プラットフォームの性能比較

Nature Biotechnology 30, 5 doi: 10.1038/nbt.2198

ベンチトップ型高処理能塩基配列解読装置は、現在3種類が利用可能である。454 GS Junior(ロシュ社)、MiSeq(イルミナ社)、およびIon Torrent PGM(ライフテクノロジーズ社)はレーザープリンター程度の大きさで、設置および維持費用が手頃である。どの装置も、細菌の概要ゲノム配列に必要なデータを数日で出すことができるため、臨床現場で病原体を特定してその特徴を明らかにするのに好適である。この3種類の装置の性能を、大腸菌O104:H4分離株の配列解読を行うことによって比較した。この大腸菌は、2011年にドイツで食中毒の集団発生を引き起こした細菌である。MiSeqは運転1回当たりで最も高処理能であり(1.6 Gb/回、60 Mb/h)、エラー率が最も低かった。454 GS Juniorは読み取り長が最長(最高600塩基)で最も連続的なアセンブリーが得られたが、処理能は最低であった(70 Mb/回、9 Mb/h)。100 bpモードでの運転では、Ion Torrent PGMが最も高処理能であった(80〜100 Mb/h)。MiSeqとは異なり、Ion Torrent PGMおよび454 GS Juniorでは、いずれもホモポリマーが関連する挿入欠失エラー(100塩基当たりで前者は1.5か所、後者は0.38か所)が生じた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度