Letter

脂肪酸由来の化学物質および燃料を
生産するための動的なセンサー調節器システムの設計

Nature Biotechnology 30, 4 doi: 10.1038/nbt.2149

微生物による化学物質生産は、今や化学合成に代わる魅力的な選択肢となっている。現在は、異なる種類の分子を生産する経路の構築が主として精力的に行われている。しかし、異種経路の生産物の力価および変換収率を向上させるための調節器要素を作製する方法はほとんど存在しない。今回我々は、動的なセンサー調節器システム(DSRS)を開発して大腸菌に脂肪酸由来の生産物を生成させ、それがバイオディーゼル生産に利用可能であることを示した。このDSRSは、重要な中間体を感知する転写因子を用いて、バイオディーゼル生産に関与する遺伝子の発現を動的に調節する。これはバイオディーゼル生産株を大幅に安定化させ、力価は1.5 g/lに、収率は3倍増で理論上の最大量の28%に向上した。数多くの天然のセンサーが利用可能であることから、このDSRS法は、代謝を調整するほかの多くの生物合成経路に拡張することができ、それにより、生産物の力価および変換収率を向上させるとともに生産宿主を安定化させることができる。

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