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家族性および散発性ALS患者由来の
アストロサイトは運動ニューロンに対する毒性を持つ

Nature Biotechnology 29, 9 doi: 10.1038/nbt.1957

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は致死性の運動ニューロン疾患であり、家族性ALS(FALS)では、運動ニューロンの細胞死に実質的に寄与するものとしてアストロサイトが関与している。ただし、ALSの病理でアストロサイトが果たすと考えられている役割は、齧歯類FALSモデルから明らかにされた部分があり、その基となるスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子の優性変異は、全ALS症例の2%未満を説明するにすぎない。ALS患者の90%以上が該当する散発性ALS(SALS)でアストロサイトが果たす役割は明らかにされていなかった。FALSおよびSALS患者の死後組織から得たアストロサイトを用い、我々は、どちらの患者群に由来するアストロサイトも運動ニューロンに対して同様に有毒であることを示した。さらに、SOD1をノックダウンするとアストロサイトの運動ニューロンに対する毒性が弱まったことから、SOD1がSALSに対する標的として有効であることが明らかにされた。我々のデータは、SALSの非細胞自律性要素としてアストロサイトが重要であることを示すとともに、SALSとFALSに共通の疾病機序を研究して未確立の治療法を評価するためのin vitroモデル系を提供する。

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