Computational Biology

高次クロマチン構造はがんの染色体変化の全体像を形成する

Nature Biotechnology 29, 12 doi: 10.1038/nbt.2049

がんゲノムの構造多型に関するデータを蓄積することは、ゲノム変化のメカニズム、およびがんでその変化に作用する選択力に関する理解を深める機会となる。本研究では、染色体の空間的構造および純化(または負の)選択という2つの大きな力ががんの体細胞性コピー数変化(SCNA)の全体像に及ぼす影響を裏づける証拠に関して、検証を行った。我々は、全ゲノム的な染色体立体配座捕捉法(HiC)で分析し、提案されているフラクタル小球モデルで表した三次元ゲノム構造とSCNAマップとを、最尤法を用いて比較した。今回の分析から、がんの染色体変化の分布が三次元ゲノム構造と空間的に関連しており、正の選択と同様に、純化選択もがん細胞の体細胞進化で生ずるSCNAに影響することが示唆された。

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