Perspective

選択的化学標識が5-ヒドロキシメチルシトシンの全ゲノム的分布を明らかにする

Nature Biotechnology 29, 1 doi: 10.1038/nbt.1732

5-メチルシトシン(5-mC)の研究が大規模に行われているのとは対照的に、最近同定された後生的修飾で、ある種の哺乳動物細胞に大量に存在する5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)に関してはほとんど知られていない。本論文では、5-hmCの全ゲノム的分布を明らかにする方法を紹介する。我々は、T4バクテリオファージβグルコシルトランスフェラーゼを用いて、アジド基をもつ人工的なグルコース基を5-hmCのヒドロキシル基に転移させた。アジド基をビオチンで化学修飾すると、哺乳動物ゲノムの5-hmC含有DNA断片の検出、親和性濃縮、および配列解読を行うことができる。この方法により、5-hmCがこれまで認められていなかったヒト細胞株にも存在することが示された。さらに、マウス小脳の遺伝子内5-hmCが遺伝子発現レベル依存的に濃縮され、神経変性疾患と関連する特定の遺伝子本体でこの修飾が月齢依存的に獲得されることも発見された。

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