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大規模な生体画像データセットを対象とするリアルタイムの三次元可視化および定量解析を可能とするV3D

Nature Biotechnology 28, 4 doi: 10.1038/nbt.1612

V3Dシステムは、ギガバイトサイズの顕微鏡画像スタックの三次元可視化を、一般のノート型およびデスクトップ型コンピューター上でリアルタイムに行う。V3Dでは、複雑な画像パターンのオンラインによる解析、測定、および校正を効率化するために、画像中の位置を三次元空間内で直接選択し、蛍光プローブなどによって得られる生物学的測定結果を重なり合った面オブジェクトで表示する人間工学的な機能を組み合わせている。V3Dは、あらゆる主要なコンピュータープラットフォーム上で動作し、特定の生物学的問題を解決するためのソフトウェア・プラグインによって機能を強化することができる。この拡張性を証明するため、我々は、V3Dベースのアプリケーション「V3D-Neuron」を作成し、高解像度の脳画像から複雑な三次元ニューロン構造を再構成した。V3D-Neuronは、ショウジョウバエ脳の1個のニューロンの形態を数分間で正確にデジタル化することができ、ほかのニューロン再構成ツールとの比較では、信頼性が約17倍に向上し、時間が1/10に短縮されている。V3D-Neuronを使用することで、ショウジョウバエ脳内の神経突起経路の三次元デジタルアトラス構築の実現可能性が実証された。

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