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BreakSeqおよび切断点ライブラリーを用いる塩基の分解能での構造多型の解析

Nature Biotechnology 28, 1 doi: 10.1038/nbt.1600

構造多型(SV)はヒトのゲノム変異の大きな要因であるが、塩基の分解能での解析は未だに困難である。今回我々は、既報のSV約2,000個を照合および標準化することにより、塩基の分解能で切断点ライブラリーを作製した。各切断点に関して、(霊長類ゲノムとの比較による)祖先状態および(非対立相同組み換え<NAHR>などの)形成メカニズムの推定を行った。ゲノムのランドマーク、染色体の位置、配列モチーフ、および物理的特性に関して切断点配列を解析したところ、過去の報告と比較して挿入と欠失の発生のバランスが取れていること、またNAHRで形成された切断点が比較的強固で安定したDNAへリックスと関連していることがわかった。最後に、ショートリードによるゲノム配列解読結果をスキャンするBreakSeqという方法をこの切断点ライブラリーに用いたところ、これまで見落とされていたSVが正確に同定され、それがPCRで検証された。BreakSeq法は、新しいデータが利用可能になるとともに感度が向上し、個人ゲノムの迅速なSV遺伝子型判定に役立つと考えられる。

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