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アデノ随伴ウイルスの受容体フットプリントの再設計で遺伝子が選択的および全身的に筋肉に移入される

Nature Biotechnology 28, 1 doi: 10.1038/nbt.1599

アデノ随伴ウイルス(AAV)は、分離株の受容体フットプリントを再設計することにより、臨床用に優れた性質をもつ変異種が得られる可能性がある。我々は、すでに同定されているヘパラン硫酸受容体のフットプリントのヘキサペプチド配列を別のAAV株の対応残基で置換し、合成AAV2ベクター群を作製した。この方法により、マウスへの静脈内投与で全身的な親和性を示すキメラカプシドが複数得られた。なかでも、AAV2i8と命名したAAV2/AAV8キメラは、抗原特性が変化し、血管系を容易に移動して、心筋組織および全身骨格筋組織で選択的に効率よく形質導入を行った。肝臓で選択的に隔離されるほかのAAV血清型と異なり、AAV2i8の肝親和性はきわめて低かった。このような特性から、AAV2i8は、筋骨格障害の遺伝子治療の橋渡し研究に適すると考えられる。

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