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治療用IgG4抗体はin vivo で内在性ヒトIgG4とFabアーム置換を行う

Nature Biotechnology 27, 8 doi: 10.1038/nbt.1553

ヒト化IgG4抗体は、ナタリズマブとゲムツズマブの2種類がヒトへの使用を認可されており、ほかにもTGN1412など数種類が臨床開発中である。IgG4抗体は半分子が動的に置換される場合があるが、治療用抗体とのFabアーム置換は未だヒトでは実証されていない。本論文では、ナタリズマブ投与患者で、ナタリズマブが内在性ヒトIgG4とFabアームを交換することを示す。逆に、ゲムツズマブはIgG4のコア−ヒンジ変異をもっており、in vitroおよびマウスモデルの双方でFabアーム置換が検出不能レベルまで遮断されている。治療用IgG4が内在性IgG4と組み換えを行う能力は、その薬物動態および薬力学に影響する可能性がある。薬物動態学的モデリングによって通常の条件下での有害な交差結合の懸念は低下させることができるが、予測不可能性が残るため、治療用IgG4抗体を設計する場合には、in vivoでのFabアーム置換を完全に予防する変異を検討すべきである。

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