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選択的方式および全ゲノム的方式でヒト細胞の遺伝子本体のメチル化特性を明らかにする

Nature Biotechnology 27, 4 doi: 10.1038/nbt.1533

新型の高処理能メチル化プロファイル解析法は、後成的修飾の研究に役立つと考えられる。本論文では、次世代の配列解読技術を用いてシトシンのメチル化を検出する2種類の相補的な方法を紹介する。第一の方法では、亜硫酸水素塩パドロックプローブを約1万個設計し、ENCODE計画のパイロットプロジェクトの対象領域に分布するCpG部位約7,000カ所に関してプロファイル解析を行った。これは、ヒトBリンパ球、線維芽細胞、および人工多能性幹細胞に適用した。標的を偏りなく選択するこの方法は、既存の発現データおよびクロマチン免疫沈降データを利用しており、高発現遺伝子でのプロモーターの低メチル化および遺伝子本体の高メチル化というパターンが観察された。第二の方法であるメチル感受性切断計測法では、Bリンパ球DNAのHpaII部位約140万カ所に関して非選択的なゲノム規模のデータが得られ、高発現遺伝子の遺伝子本体のメチル化がヒトゲノム全体に共通する現象であることが確認された。今回の知見は、CG島またはプロモーター領域のような特定のサブセットに本質的にも意図的にも偏らない技術の有用性を明らかにしている。

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