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マイクロリットル量の血液中のタンパク質を迅速に多重分析する集積バーコードチップ

Nature Biotechnology 26, 12 doi: 10.1038/nbt.1507

ヒトプロテオームが最もよく表れている組織として、血液は臨床診断で最も重要な液体である。しかし、血漿タンパク質は、プロファイルの変化がヒト疾患の多くに関連する生理学的または病理学的な状態を反映するものでありながら、ごく一部が臨床試験で常用されているにすぎない。その理由は、血漿プロテオーム固有の複雑さ、ヒト疾患の不均質性、および血液検体中のタンパク質の急速な分解などである。本論文では、集積微小流体システムである「集積血液バーコードチップ」を紹介する。これは、広い濃度域にわたって多種類のタンパク質バイオマーカーを検体採取後10分以内に高感度で試験することができるものである。チップ上で血液を分離し、指を針で刺して得られる程度の少量の全血から血漿タンパク質群を迅速に測定することができる。我々の装置は、特にポイント・オブ・ケア環境で、非侵襲的で有益な臨床診断を低コストで提供する可能性がある。

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