RNA混合系列試料を用いたマイクロアレイプラットフォームの性能および補正法の評価

我々は、マイクロアレイプラットフォームの性能および測定結果に対するさまざまな補正法の影響を評価するため、RNA混合系列試料（RNA titration sample）の有用性を評価した。マイクロアレイ品質管理プロジェクトの一環として、独立した2種類のRNA試料およびその混合系列2種類を用いて5種類の市販マイクロアレイプラットフォームの性能を検討した。全プラットフォームに共通する遺伝子12,091個に注目し、試料の正確な混合系列反応を検出する各プラットフォームの能力を評価した。混合比から予測された反応からは全体的にずれが観察された。この差は、独立した2種類の試料で全RNAの一部としてのメッセンジャーRNAの相対量が異なるためと説明される。プラットフォーム間の対応性は質的にも量的にも概して高かった。全体的にみて、混合系列試料はマイクロアレイプラットフォームの性能およびさまざまな解析法の評価のみならず、試料に存在する何らかの生物学的特徴の特定にも有用なツールとなる可能性がある。