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ラットを用いたトキシコゲノミクス試験はマイクロアレイプラットフォーム間の解析の整合性を示す

Nature Biotechnology 24, 9 doi: 10.1038/nbt1238

マイクロアレイ品質管理(MAQC)プロジェクトの研究結果の妥当性確認および一般化を目的に、3種類の化学物質(アリストロキン酸、リデリイン、コンフリー)で処理したラットに由来するRNAサンプル36点を用いて生物学的意味をもつトキシコゲノミクスデータセットを得るとともに、各サンプルをマイクロアレイプラットフォーム4種類にハイブリダイズさせた。MAQCプロジェクトでは、研究室間およびプラットフォーム間の比較を行う際の整合性ならびに遺伝子選択法が解析データの再現性に及ぼす影響を、別々の対照RNAサンプルを用いて差次的発現遺伝子の点から評価した。ここに示す現実のトキシコゲノミクスデータセットは、研究室間およびプラットフォーム間の比較でよく一致した。さらに、発現比(fold-change)順で得られた遺伝子リストは、t検定のP値またはマイクロアレイ有意性解析ソフトウェアで得られたリストと比較して再現性が高かった。結論として、厳密でないカットオフP値を用いて発現比順で得た遺伝子リストは、遺伝子オントロジーのタームおよび経路でよく一致したことから、化学物質への曝露の生物学的影響は解析した全プラットフォームから高い信頼性で推定されるものと考えられた。

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