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幹細胞由来の赤血球系細胞は長期の全身性タンパク質輸送を媒介する

Nature Biotechnology 24, 8 doi: 10.1038/nbt1227

本論文では、in vivoで長期にわたって全身性の治療用タンパク質輸送を媒介する赤血球系細胞の能力を示す。我々は、B型血友病のマウスモデルで、赤血球新生の後期にヒト第IX因子(hFIX)の発現を標的化することにより、代表的な汎用プロモーターとの比較で有意に高いレベル(10倍超)のhFIXを長期にわたって分泌させることに成功した。赤血球系細胞に由来するhFIXは生物学的活性をもち、出血性障害の表現型を修正する。赤血球が媒介するタンパク質輸送は、高い発現量および転写サイレンシング抵抗性の実現以外にも、免疫寛容の誘導、挿入腫瘍形成リスクの低下、および形質導入造血幹細胞の移植またはex vivoで作られた幹細胞に由来する赤血球系細胞の輸注のいずれかによって比較的容易に使用可能であることなど、利点が多い。

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