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ヒトC5aRノックインマウスは抗炎症性モノクローナル抗体の産生および評価を支援する

Nature Biotechnology 24, 10 doi: 10.1038/nbt1248

補体成分C5aはC5a受容体(C5aR)に結合し、白血球走化性および炎症伝達物質の放出を促進する。本研究では、マウスのC5aRコード領域をヒトC5aRで置換したヒトC5aRノックインマウスの好中球を用いて野生型マウスを免疫し、ヒトC5aに対して高い親和性および拮抗作用を示すモノクローナル抗体(mAb)を作製した。このmAbはin vitroでC5aへの好中球の遊走を阻害し、マウスK/BxNモデルでは低濃度で炎症性関節炎の予防および回復が認められた。C5aRに対して作製した約40種類のmAbのうち阻害作用の強いものはすべて、受容体活性の制御に重要と考えられる第2細胞外ループの小領域を認識した。ヒトC5aRノックインマウスはヒトの重要な治療標的に対する親和性の高いmAbの作製を促進するのみならず、このような拮抗物質がもつ効力の前臨床評価にも有用であった。この方法はほかの重要なmAb療法にも応用可能と考えられる。

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