Brief Communication

遺伝子組換え作物を合理的に規制する:植物育種、バイオテクノロジー、およびゲノミクスからの教訓

Nature Biotechnology 23, 4 doi: 10.1038/nbt1084

規制基準が示す法的な要求事項および市場の制約を満たすためのコストは、遺伝子組換え作物の商業化を阻む大きな障害である。当初は慎重な取り組み方が賢明であったのであろうが、法的な要求事項を一部改変してコストおよび不確実性を軽減することは、今や安全性を損なわずに実施可能であると考えられる。新たな多様性を作物品種に組み込むための長く受け入れられてきた植物育種法、遺伝子組換え作物の研究および商業化に関する20年間の経験、さらに植物ゲノムの構造および動態に関する知識の拡大はいずれも、ある遺伝子または形質が安全であれば、その遺伝子工学的工程自体が商業化以前の品種開発プロセスのなかで特定も排除もされないような予期せぬ結果をもたらすことがまずないことを示している。遺伝子または形質の安全性が示された場合は、従来の育種と同じく、ゲノムではなく表現型の特性に規制の重点を置くべきであると考える。

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