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単分子の酵素学を可能にするフェムトリットル孔の超小型アレイ

Nature Biotechnology 23, 3 doi: 10.1038/nbt1072

生物の機能を正確に理解するには、生命の基本要素と同等の寸法をもつ器具が必要である。単分子計測によって、巨視的な実験では集団および時間で平均化されて捕捉不能となることの多い分子の性質が明らかにされている。単分子計測では高度な光学的機構を用いて検出対象空間を限定する場合が多いが、微小容器内で検定を行う方式も有望である。我々は、孔がマイクロメートル大の大規模アレイをもつ珪素樹脂装置を開発した。この装置を用いると、わずかフェムトリットル量の溶液が長時間確実に封入された。このマイクロチップの孔は、均一性および配置の精確さが確保されている。この方式の有効性は、β-ガラクトシダーゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼの単分子の活性を測定することによって示された。この方式は、単分子レベルの超高感度な生物検定で有用となる場合が多いと考えられる。

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