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真核細胞の遺伝子発現で作用するプログラム可能なリガンド調節型のリボレギュレーター

Nature Biotechnology 23, 3 doi: 10.1038/nbt1069

最近の研究では遺伝子発現ネットワークの制御で作用する非コードRNA因子の重要性が示されている。本論文では、トランスに作用してリガンド依存的に遺伝子発現を直接制御するようなRNA低分子の設計に関して発表する。アンチスイッチと命名したこのアロステリックなリボレギュレーターは、理論的な設計によって完全に調整可能で規格化されたものとなっている。アンチスイッチでは、設計ごとに、リガンド結合に応じて活性型または不活性型をとることによる柔軟な調節戦略が実現されており、対象別に作り分けて種々の細胞性エフェクターに応答した標的転写産物の発現制御を行うことができる。リガンドに結合する核酸種を創出するin vitro選抜技術との組み合わせによって、アンチスイッチは細胞の状態および環境の刺激に対して細胞の挙動および遺伝子ネットワークをプログラムするための基盤となるものである。

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