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細胞内FRET用蛍光タンパク質の漸進的最適化

Nature Biotechnology 23, 3 doi: 10.1038/nbt1066

蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を示す蛍光タンパク質は、蛍光の変化で分子レベルの距離測定を実現することによって大きな衝撃をもたらした。ほかの方法では困難であった分子濃度、結合相互作用および触媒作用の測定がFRETを利用した方法で可能となったが、ドナーとアクセプターの組み合わせでダイナミックレンジおよび感度の制約がある。本研究ではこの問題の解決を目的として、蛍光活性化細胞選別法を利用する定量的で漸進的な戦略によって、FRET用のシアン−黄色蛍光タンパク質の組み合わせを最適化した。レシオ測定によるFRETシグナルの変化は、元のタンパク質の組み合わせでは3倍であったが、今回得られたCyPet-YPetの組み合わせでは20倍となった。この組み合わせでは、カスパーゼ-3-依存性アポトーシスを起こしている細胞の流動細胞計測法による高処理能スクリーニングが可能となった。CyPet-YPetの組み合わせは、感度およびダイナミックレンジが大幅に改善されており、分子画像およびスクリーニングに広く応用可能なものである。

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