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ヒストン修飾のゲノム包括的高分解能マッピング

Nature Biotechnology 22, 8 doi: 10.1038/nbt990

真核生物ゲノムの発現パターンはクロマチン構造によって制御されている。クロマチン構造を構成するヌクレオソームサブユニットでは、ヒストン8分子の芯をDNA約146 bpが取り巻いている。翻訳後のヒストン修飾は、クロマチン構造の修飾に不可欠な役割を果たしている。今回我々は、SAGEおよびクロマチン免疫沈降法(ChIP)を併用して、Saccharomyces cerevisiaeゲノム中の高アセチル化ヒストンH3およびH4の分布を解析した。我々はこの方法をゲノムワイドマッピング法(GMAT)と呼んでいる。GMATによって、アセチル化レベルが最も高い部位は遺伝子コード領域の5'末端であり、プロモーター内ではないことがわかった。さらに、ヒストンアセチル基転移酵素GCN5pがコード領域の5'末端およびプロモーターでのH3のアセチル化を調節することが示された。上記の知見から、GMATがクロマチン修飾酵素の標的部位のマッピングに有用性を示すことが期待される。

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