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繋留触媒法―翻訳後修飾を必要とするタンパク質間相互作用同定のためのツーハイブリッド法

Nature Biotechnology 22, 7 doi: 10.1038/nbt985

我々は酵母ツーハイブリッド法を改変し、特異的な翻訳後修飾が必要なタンパク質間相互作用の検出を可能とした。試験材料として、ヒストンのアセチル化およびRNAポリメラーゼ II カルボキシル末端領域(CTD)のリン酸化を用いた。この繋留触媒法では、相互作用の解析対象タンパク質とそのタンパク質の修飾酵素を融合させる。基質と酵素を物理的に連結するため効率的な触媒作用が得られ、解析対象タンパク質の恒常的修飾が実現される。この触媒作用による基質の修飾は、拮抗する酵素活性の存在下でも維持される。触媒作用をもたない変異酵素を基質に融合して修飾が起こらないようにし、これを対照とすることによって、修飾に依存しない相互作用の迅速な同定が可能となる。本法で、アセチル化ヒストンと相互作用するクロマチン機能関連タンパク質群、およびリン酸化CTDと優先的に相互作用してCTDリン酸化の制御に関与するとともにRNAポリメラーゼ II 機能にも関与するタンパク質群が同定された。

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