Research Highlights

6塩基DNAの汎用マイクロアレイを用いた遺伝子発現プロファイリング

Nature Biotechnology 22, 4 doi: 10.1038/nbt948

本論文では、酵素処理ステップを組み合わせた汎用マイクロアレイシステム(UMAS)からなる転写解析プラットフォームを紹介する。このプラットフォームではあらゆる生物の発現プロファイルを作成することができ、種特異的転写物配列に関する事前情報は不要である。トランスクリプトームはcDNAに変換し、制限酵素処理を経て、同じ長さのDNA断片からなる複雑度の低いプール(約80〜120個)を作製する。作製したDNAプールは増幅し、組み合わせ可能な6塩基DNA全4,096(46)個からなるUMASシステムで検出する。アレイへのライゲーションで、14塩基の配列タグ数千個が検出される。この汎用アレイのDNAプール全体から得たシグナル群に、全トランスクリプトームの発現プロファイルが含まれる。この技術の有効性はSaccharomyces cerevisiaeのガラクトース応答の解析で確認され、得られたプロファイルは文献情報およびリアルタイムPCR解析の結果ときわめてよく一致した。また、酵母内でT細胞受容体遺伝子を発現させる概念実証試験を実施し、本技術でハイブリッド生物の発現プロファイリングも示された。

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