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シンドビスウイルスベクターによる全身性の腫瘍ターゲティングおよび殺腫瘍

Nature Biotechnology 22, 1 doi: 10.1038/nbt917

がんの遺伝子治療を成功させるには、体内の腫瘍細胞を全身的および特異的に標的とするベクターが必要である。腫瘍特異的プロモーターで細胞に有害な遺伝子を発現させるベクターおよび腫瘍細胞内で選択的に複製されるベクターはいくつか開発されているが、導入および発現がごく一部の標的腫瘍細胞に限定されるものがほとんどである。それとは対照的に、全身的および特異的に腫瘍細胞を感染させる血液由来のシンドビスウイルスベクターを、本論文では紹介する。免疫組織化学的に示す通り、このベクターは単回腹腔内投与で腫瘍細胞の大半を標的とすることが可能であり、正常細胞を感染させることがない。さらに、シンドビス感染で腫瘍を完全に退縮させることができる。皮下、膵臓内、腹腔内および肺の増殖性腫瘍に対し、ベクターが全身的にターゲティングされることが示された。このベクターは、免疫応答性をもつマウスの同系および自然発生腫瘍を標的とすることもできる。このベクターが全身の腫瘍細胞を標的とし、有害作用なくこれを消滅させる抗腫瘍特異性をもつことをここに示す。

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