Nature

Cover Story: 動きの画像化:哺乳類細胞で脂質輸送を可視化する

Nature 646, 8084 (2025年10月9日)

細胞は細胞膜の形成からエネルギー貯蔵までさまざまな目的で脂質分子を使うが、そうした脂質分子は生体組織内で正確な位置を追跡するのが困難なため、研究が極めて難しい。今週号ではA NadlerとA Honigmannたちが、哺乳類細胞における脂質輸送の画像化手法について報告している。研究チームはまず、蛍光顕微鏡で観察可能な一連の脂質プローブを生成し、それらを時間経過とともに追跡することで、細胞小器官の膜の間の脂質交換の様子を描き出した。そして、並行して質量分析法を用いて、脂質プローブが他の脂質種へと変換される過程を評価した。彼らは、定量的な動力学モデル化を用いることで、細胞小器官間の脂質移動の最大90%が、小胞ではなく個々の脂質輸送タンパク質によって制御されていることを明らかにした。表紙画像は、細胞膜に局在する単一のリン酸脂質種(橙色)、ミトコンドリア(青色)、エンドソーム(紫色)を示している。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

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ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

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