遺伝子抑制の新たな階層の発見
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2022.220744
原文:Nature (2022-04-07) | doi: 10.1038/d41586-022-00519-3 | An added layer of repression for human genes
rixosome(リキソソーム)と呼ばれるタンパク質複合体が、遺伝子発現後に残っているRNA転写産物の分解に役立つことが分かった。この発見は、種によって異なる、rixosomeのクロマチン調節での役割を示している。
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遺伝子発現が終わっても、遺伝子–転写装置の構成要素は、RNA転写産物と共にDNAの近くにとどまり得る。ヒト細胞において、転写産物分解や遺伝子抑制の経路は知られているが、これらの経路は直接関連付けられてはいない。不活性なヒト遺伝子からのRNA除去経路が遺伝子抑制装置の重要な因子によって開始することを、ハーバード大学医学系大学院(米国マサチューセッツ州ボストン)のHaining Zhouら1がNature 2022年4月7日号167ページで報告している。